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文化分解

デザインの世界でひたすら走り続け、気がつけば恐ろしや早くも三十有余年にもなる。文化と経済は車の両輪と云われながらも、わが日本では文化は未だに経済の脇役に甘んじ、心の豊かさや生活の潤いは暗中模索の只中にいる。このプログでは、少々の脱線は予測されるものの、文化を基軸にしたものにしていきたい。
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知って欲しい著作者人格権
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    わが国の著作権法においては、「著作物」を創作する者を「著作者」と言い(著作権法2条1項2号)、「著作権」は、「著作者」によって「著作物」が創作されると登録等の手続きを必要とせず自動的に発生する(著作権法17条2項。無方式主義)。そしてその「著作物」は原則として「著作者」の死後50年を経過するまで保護される(著作権法52条)。
    「著作権」は、「著作財産権(財産権としての狭義の著作権)」と「著作者人格権」からなり、前者の「著作財産権」は譲渡することができ(著作権法61条)、譲渡された者を「著作権者」と呼ぶ。一方、「著作者人格権」は、「著作者」がその「著作物」に対して有する人格的利益を保護する目的のもので、他人には譲渡できない著作者自身の権利である(著作権法59条)。
    私の仕事を例にすれば、クライアントからあるパンフレットを依頼された場合、デザインし、納品し、フィー(報酬)を頂いた時点で、そのパンフレットのデザインの「著作財産権」は「著作権者」となったクライアントに移る。しかし、忘れられてはいけないのは、「著作者」に「著作者人格権」が残るということである。
    著作者人格権

    「著作者人格権」には、公表権、氏名表示権、同一性保持権の三つの権利があり、「著作財産権」には、複製権、上演権及び演奏権、上映権、公衆送信権等、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権、翻案権等、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利があると著作権法に定められている。

    ここで、「著作者人格権」の三つの権利をもう少し詳しく解説すると、それは「公表権」…著作物を公表するかしないかの権利。「氏名表示権」…著作物に著作者名を表示するかしないかの権利。「同一性保持権」…著作物の改変や変更、切除等を認めず、そのまま(変形せずに)使う権利である。この3つの権利は「著作者」自身に与えられた権利です。
    例で言えば、多大な時間と労力をかけてデザインした著作物が、第三者によって改変(リ・デザイン)されることは屈辱的である。それを守ってくれるのが同一性保持権である。

    関西で長年、デザインの仕事をしてきているが、デザインを納品してしまうとすべての権利はクライアントが有すると思い違いする会社がたまに現れ悲しい思いをする。著作者人格権が守られず、第三者による安易な改変が横行すれば、価格はダンピングし、オリジナリティ創作へのエネルギーが削がれていくことは必然で、ひいては関西文化の発展にもマイナスとなる。クライアントとなられる立場の人には、どうか著作者の人格的権利を認識して頂きたいことを願うものである。

    世界は違うが、「おふくろさん」の作詞者川内康範氏の自宅に謝罪に出向いた森進一の姿が、まだ昨日のように印象に残っているが、これは歌詞が著作者に無断で改変されたもので、著作者人格権が無視された事件であった。

    ※著作者でない者が、著作者と詐称して複製物を頒布した場合は1年以下の懲役または百万円以下の罰金に(著作権法121条)。また著作者人格権、著作権、出版権、著作隣接権を侵害した者には、3年以下の懲役または3百万円以下の罰金に処せられる(著作権法119条)。
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